神戸デートももうすぐ終わりか…。
寂しいから、もう少し、もう少しとねばって、お店に入ってみた。
可愛い雑貨に見とれていたら、彼とはぐれてしまった。
ありゃ。ちょっとポケットから抜け出した私が悪い。
すぐ見付かると思って、キョロキョロしてみたけど、分からない。
えー、どうしよう!
ちょっとだけ泣きたくなった。
私はそっと目を閉じた。
焦らなくていいんだ。
焦ってどうにかしようとするから見付からないんだよね。
彼はこのお店の中にいる。
どうにかしていたら、彼も私の姿を見つけてくれるだろう。
大丈夫。
すぅっと深呼吸して、目を開けた。
離れた場所から、慌ててこっちに向かっている彼が見えた。
お互い笑顔になった。